世界を相手にするグローバル企業の敏感さに比べ、井の中のかわずであるテレビや新聞は事の重大性がいまだに分かっていない。朝日新聞が出しているAERAや毎日新聞のサンデー毎日が、毎週のように表紙にジャニタレを使い続けてきているのが、その証左である。
私と同じ見方でここは似ている。
テレビとかは、日本国内ですから、少なくとも今は。
そういう感じでテレビ側は対応しようとしているみたいですね。
これも少なくともだけど、テレビ局は・・・っていう表現は。
というか記事は、凄い事を書いてますね。
キチンと書いている記事もある。
逆に「NHKはすべてを知りながら、視聴率のために目をそらしていたという」
って書いている方が普通ですからね。NHKというより。
企業の「ジャニーズ離れ」の素早さ…鈍感すぎるNHKとメディア人間たち(元木昌彦)
2023年09月17日 09時26分日刊ゲンダイDIGITAL
(帝国は崩壊へ(故・ジャニー喜多川氏の性加害問題について会見する、藤島ジュリー景子氏)/(C)日刊ゲンダイ)
おのれの不明を恥じている。先週、ジュリー社長辞任と東山紀之新社長就任の会見を見て、何も変わらないまま「ジャニー喜多川事件は忘れられ、みそぎを済ませたとジャニーズ帝国は続いていく」と書いた。
テレビ、新聞は「自分たちの不明を恥じ、責任を感じる」程度の甘ったるい反省の弁を述べるだけだろうと思っていた。事実その通りだったが、グローバル企業のジャニーズ離れが実に早かった。アサヒ、キリン、サントリー、東京海上、日本航空、日本生命、日産自動車、日本マクドナルドなど、まさにCM撤退ドミノである。
アサヒグループHDの勝木敦志社長は「取引を継続すれば、私たちが人権侵害に寛容ということになる」と述べた。新浪剛史経済同友会代表幹事は、「所属タレントの起用を続けることは児童虐待を企業として認めることだ」と断じた。
単価の高いCMがなくなればジャニーズ事務所にとって致命的な打撃になる。今や“汚物”と化したジャニー喜多川の名前を残したことと、ジュリー前社長がそのまま居座って院政を敷くことで、反省は口だけだということが分かってしまったのが大失敗だった。
世界を相手にするグローバル企業の敏感さに比べ、井の中のかわずであるテレビや新聞は事の重大性がいまだに分かっていない。朝日新聞が出しているAERAや毎日新聞のサンデー毎日が、毎週のように表紙にジャニタレを使い続けてきているのが、その証左である。
テレビは様子見だが、スポンサー離れがこれ以上進めば、手のひらを返したようにジャニタレを切り捨てるはずだ。では、ジャニーズとズブズブの関係にあるNHKはどうするのか。
9月11日の「クローズアップ現代」は「ジャニーズとメディア“沈黙”なぜ」とこの問題を取り上げた。元歌謡・演芸担当だった大鹿文明番組部長は、「芸能とか娯楽番組っていうのはやっぱり見てもらってなんぼ」、そうなると、タレントが持っているファンの数が非常に欲しくなり、性加害の問題には思いがいたらなかったと話す。
だが、NHKの元音楽プロデューサーは、文春とジャニーズ事務所の裁判のことは知っていたが、それを理由に「ジャニーズの起用をどうしようか」といえば、「おまえ、おかしいんじゃないの?」といわれたと告白している。
元NHKのジャニーズ出演番組プロデューサーは、「ジャニーさんの家には何度も行っていたから、子どもたちが泊まっていたことは知っている。でも、そういう“えげつない世界”や“性的な部分”は知りたくないと思っていた。視聴者獲得のために清濁併せのんでやってきた」と呆れ果てたことを言っている。
NHKはすべてを知りながら、視聴率のために目をそらしていたのである。テレビやスポーツ紙には“ジャニ担”といわれる下劣な太鼓持ちがいる。この際名前を公表したらどうか。
私が週刊現代でジャニー喜多川の性加害疑惑を取り上げたのは1981年。ジャニーズ側の猛烈な抗議を受け、私は女性誌に飛ばされた。その後、1990年から97年までフライデーや週刊現代の編集長を務め、ジャニタレの女問題は山ほどやったが、ジャニー喜多川の性加害問題には触れられなかった。
問題意識がなかったわけではない。だが、やれば必ず社に圧力がかかり、ジャニタレを使えないと困るのは少年少女雑誌や女性雑誌、漫画である。私が編集長を辞してからすぐに文春の追及連載が始まった。ジャニー喜多川の“犯罪”を見逃してきたという意味では私も同罪である。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)