ペトロダラーシステムに関しては、私が気づいたとかではなく、
知らせてもらった話なんですが、
お金関係の話で、知ったという事をのせておくべきなのかなと。
お金を刷るとどういうケースが起こる可能性があるとか、
大丈夫なのかとか参考になる話の一つだと思うし。
コピペで悪いのですが。
ただ、私はまだ、こういう記事を書いている人のようなレベルで
お金を認識できていないので、
そんな感じでペトロダラーシステムの話を読んでなんとなく
理解しているのかな程度のレベルです。
ロシアが中国の人民元を世界で使っているのを認めているのって、
ロシアからすると自国のお金が基軸になった場合のリスクも考えているのかなと思えて。
ロシアのお金が流通して、戦争なりで国が貧しくなったりとかしたら、
ロシアの資源がとられてしまうとかあるかもしれないとか。素人目だけど。
・・・・ちがうか、あくまで自国で作った引換券みたいなものだから、
ロシアの資源ではなくて、他の国にある資源なり機器とか
引き換える権利がなくなる・・・
どっちも起こるって事なのかな。
やっぱり、深くはわかんないですね。
そもそも、引換券と私は書いたけど、
信頼できる引換券でもないのかもしれないですね。
もともと、紙ですからね、引き換え券って。
・・・その国が認めた引換券って事ですよね。
そうなると私も他の人もそうかもしれないけど、
はじめに思ってた考えと同じで、基本は自国で有効に
使える引換券って事ですね。極論になるけど。
自国建ての通貨。
後は外交で、他の国も使う権利があったりして、
資源なり交換できるとか。
そういうわけではないのかな・・・。
米国経済覇権を支えてきたペトロダラーシステムの終焉
1.米ドル基軸通貨
現在、ドルは世界の「基軸通貨」、すなわち国際的に決済などで幅広く利用される国際通貨の中でも中心的・支配的な役割を果たす通貨として位置づけられています。第二次大戦後、ドルを唯一の金本位通貨とし、各国通貨の為替レートをドルとの間で固定するブレトンウッズ体制のもとで始まり、1973年に変動相場制へ移行した後も実質的にドルが基軸通貨の役割を果たしています。
1870年代から第一次世界大戦前までは、英国を中心とする国際金本位制のもとでポンドが基軸通貨として機能していました。しかし、英国は第一次世界大戦で国力を消耗した上、1929年に発生した世界恐慌に伴う金融恐慌により大量の金が国外に流出し、1931年に金本位制を放棄せざるを得なくなりました。
一方、米国は第二次大戦を通して金の保有量を急速に増やし、最大の経済大国となり、ドルが国際通貨として台頭。1944年のブレトンウッズ協定により、金と固定比率で交換可能なドルを基準として加盟国の通貨為替相場を固定する金ドル本位制が導入され、この制度を維持するためにIMF(国際通貨基金)が設立されました。
米国は、拡大する世界経済の需要に応じてドルを潤沢に供給し続けましたが、そのために国際収支は赤字とならざるを得ませんでした。ブレトンウッズ体制のもとで、基軸通貨である米国が、国際流動性を供給するためにドルを供給し続けると、米国の国際収支は赤字となり、ドルの信認は低下します。米国がドルの価値を維持するために国際収支を改善する政策をとると、国際流動性が不足し、世界経済の成長を阻害してしまいます。これを流動性のジレンマといいます。
西欧諸国や日本が復興し、競争力を回復すると、1960年代以降、米国の国際収支は悪化してきました。諸外国のドル保有高が米国の金準備高を大幅に上回るようになると、ドルの信認が低下し、ドルを金に換える動きが加速したことなどから、米国は1971年にドルと金の交換を停止しました。(ニクソンショック)ここまでの体制をブレトンウッズ体制1ともいわれます。
ニクソンショックによって、ドルを基軸通貨とするブレトンウッズ体制は崩壊し、主要国の通貨は変動相場制に移行しました。しかし、米国の経済規模や金融市場の流動性の高さなどを背景として、ドルが事実上の基軸通貨としての役割を果たしています。この体制をブレトンウッズ体制2ともいいます。
2.米ドル基軸通貨のトリック
米国は金とのリンクが消えたドルの価値を維持し、世界の基軸通貨の地位を保つには工夫が必要でした。貿易赤字を減らすことが一つの手段でした。貿易赤字を減らすにはドルの発行量を減らすことが必要ですが、それには痛みが伴います。米国はこの方法をとりませんでした。金との交換を停止して不換紙幣となったドルを大量に発行し続けることができる方法を選択したのです。
それは世界各国の準備貨幣としてのドルの力の利用でした。これがうまくいけば、米国国外生産された製品を大量に安価に米国の消費者に届けることができます。失敗すれば米国国民の生活水準は大きく低下し、政権は激しい批判にさらされます。
米国は上手い方法を見つけました。それが「ペトロダラーシステム」です。
金との兌換停止を発表したニクソン大統領は、キッシンジャー国務長官をサウジアラビアに遣りました。キッシンジャーはサウジ王朝に対して次のようなオファーをしました。
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サウジアラビア(つまり同国の石油基幹設備)を米国は防衛すると約束した。そして、サウジが希望すればどんな兵器も売ると約束した。
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イスラエルからの攻撃だけではなく、他のアラブ諸国(たとえばイラン)などの脅威からも守ると伝えた。
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サウジ王家を未来永劫にわたって保護することも確約した。
特に最後の約束はサウジアラビア王家にとっては魅力的でした。そして、アメリカはその見返りに二つのことを要求したのです。
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サウジアラビアの石油販売はすべてドル建てにすること
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貿易黒字部分で米国財務省証券を購入すること
サウジアラビアは人口が希薄でありながら、莫大な石油資源を保有しています。しかし、中東情勢は常に危険と隣り合わせです。宗教指導者が強権的に侵略する命令を下したり、虐殺事件が起こしたりする国が隣国に存在します。そうした国がいつサウジアラビアを狙ってもおかしくはありません。サウジ王朝や支配層にとって、米国の保護の確約は魅力的でした。
サウジアラビアがこの要請に応える協定書にサインしたのは、1974年ことでした。1975年には、ニクソンとキッシンジャーの狙い通りOPECの他のメンバーも原油のドル建て取引を決めました。
米国のやり方は、天才的ともいえるものでした。世界の石油需要の増大に伴い米国ドルへの需要も増えていきました。金とリンクさせたドルよりも石油取引とリンクさせたドルの方が米国にとっては格段に有利でした。面倒だった金との兌換約束もなく、思う存分にドルを刷ることができました。膨れ上がる輸入決済にそのドルを使い続けることが可能になったのです。
米国にとっては最高のメカニズムの完成でした。石油には世界中からの需要がありました。その石油を買うためにはドルが必要となったのです。そのため、石油購入のためにはドルを貯めなくてはならなくなりました。世界的な需要が高まるドルを連邦準備銀行はほとんどゼロコストで発行することができることになったのです。
これが、キッシンジャーがニクソン政権で作り上げた「ペトロダラーシステム」です。これによって、米国の経済覇権は長期化しました。
3.ペトロダラーシステムの揺らぎ
2022年3月16日ウォールストリートジャーナルが次のような報道をしました。
原油埋蔵量で実質世界最大のサウジと最大の原油入国の中国が人民元建てで取引を始めれば、基軸通貨ドルの礎を形成してきた「ペトロダラー」体制が揺らぎ、現在の国際通貨体制に多大なインパクトを与えることは確実です。
ドルが現在のような本当の意味で基軸通貨になったのは冷戦終結以降のことです。冷戦の勝者となった米国は、エネルギーや穀物をはじめ世界の貿易全体の安全を保障してくれる強い味方となりました。歴史上はじめて「世界の警察官」となった米国への信頼がドルの価値を支えました。それが現在も続いています。国際通貨体制は「米ドル体制」にほかなりません。
かつての金と同じ役割を担うようになったドルは究極の価値保蔵手段となり、旧ソ連を継承したロシアや中国をはじめ、米国とは友好関係にあるとはいえない国々にもドルは外貨準備の対象として選好されてきました。
ところが、ロシアによるウクライナ侵攻に対する制裁措置として、3月初頭にロシアが外国の中央銀行に保有する外貨準備を米欧日の中央銀行が凍結しました。3000億ドル(約40兆円強)相当が引きだせなくなったのです。米主導の制裁措置であることは明らかで、「ドルを外貨準備で保有することはリスクが高い」と世界が認識したことは間違いありません。経済発展に邁進してドル保有を積み上げても、米政府の意向次第で容易に接収されてしまう危険性が露呈したのです。
多額の原油売却代金をドルで保有するサウジアラビアにとって、ロシアに対する米国の制裁は「対岸の火事」ではありません。バイデン政権は人権問題などでサウジに厳しい姿勢で臨んできました。サウジ王室が「明日は我が身」と考えても不思議ではありません。
3.ブレトンウッズ3
2022年3月7日クレディ・スイスを務めるゾルタン・ポズサー(Zoltan Pozsar)氏が論文を発表しました。それは、今、米国は新しい通貨秩序につながるコモディティ危機の中にあり、最終的には現在のドル基軸の金融システムは弱体化し、欧米でのインフレ率上昇を招くとしています。
今、西側の経済制裁が行われている中、「ブレトンウッズ3」の幕が切って落とされようとしています。米国によるドル資産の差し押さえを危惧する国々は、ドルに代わる代替資産を求めます。原油に代表される商品の役割が増すというのが、ポズサー氏の指摘です。
資源や食料など国際商品にはロシアからの供給途絶のリスクが加わります。ロシアは世界の原油生産の12%を占めシェア3位、天然ガスは17%で2位、小麦は18%で2位です。対ロシア制裁は肉を切らせて骨を断つ策です。その代償としてロシア産の商品の供給が減ります。その分、ロシア以外の国々が産出する商品にプレミアム(割増価値)がつきます。その結果、西側諸国はブーメランのようにインフレに見舞われます。そして、資源をバックにした通貨の発行が現実味を帯びてきています。米ドルだけが強い基軸体制ではなく、米ドルの依存度が下がり、外貨準備がドルだけではなくなってくるのです。
ポズサー氏は「現在の危機(と戦争)が終わった後、ドルは弱くなり、複数のコモディティ(市況商品)に裏打ちされた、新しい世界金融秩序をもたらす“第3次ブレトンウッズ体制”の誕生を目撃している」と指摘しています。
4.世界の外貨準備は米ドル比率が過去25年で最低に
米ドルの世界における外貨準備比率は減っています。IMFが行っている「公的外貨準備の通貨別構成(COFER)調査」によると、2022年第1四半期における世界の外貨準備は12兆5501億ドル。うち通貨への割り当てが報告されているものは、11兆6796億ドルでした。以下はCOFERの資料を元に、筆者が作成した以下のグラフを確認して下さい。
世界の外貨準備高に占めるドルの比率が断続的に下がり続けていることが分かります。
米ドル基軸体制、そして、ペトロダラーシステムは、ロシアのウクライナ侵攻前からすでに始まっており、侵攻後に報道に現れてきたというのが実情です。
米国の経済的覇権の中心であったペドロダラーシステムの崩壊は、米ドルの外貨準備高の比率の減少によって既に始まっていました。そして、ロシアのウクライナ侵攻後の米主導の経済制裁によって、ロシアをはじめとした新興国のドル離れを促進しました。結果、ブレトンウッズ3という考え方も出てきて、世界的にドル基軸通貨体制に揺らぎが生じています。さらにサウジが人民元で原油を販売することも視野に入れており、これは米基軸通貨体制を維持してきた根本であるペトロダラーシステムの崩壊を意味しています。
ペトロダラーシステムの崩壊は米経済の覇権の崩壊を意味しており、今後、世界の経済は多極化していくことになります。ペトロダラーシステムの崩壊は、世界的な大変化の始まりを意味するものです。